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牛たんの部位と食べ方
たん元、たん中、たん先、さがり。同じ一本でも、向く料理は違います。
牛たんは、一頭の牛から一本しかとれません。そしてその一本の中にも、場所によって性質の異なる部位があります。根元はやわらかく脂がのり、先はしっかり締まっている。同じ牛たんなのに、向く料理はまったく別物です。この記事では、たん元・たん中・たん先・さがりの4つの部位と、それぞれに合った食べ方をご紹介します。
目次
牛たん一本を、まず全体で見る
牛たんは、根元から先へ向かうほど、脂が少なくなり、繊維が締まっていきます。付け根に近い側は脂が白く入るので「シロ」、先端側は赤身が強いので「アカ」と呼び分けることもあります。
この性質の違いが、そのまま向く料理の違いになります。全体像は下の図のとおりです。
たん元は、焼いて味わう最上級
PART 1 / たん元
舌の付け根にいちばん近い部分が、たん元です。舌は先のほうほどよく動き、根元はあまり動きません。動きの少ないたん元は、そのぶん脂がのって、霜降りのサシが入りやすく、一本の中でもっともやわらかい部位になります。
厚く切っても驚くほどまろやかに噛み切れるのは、この部位ならではです。牛たんの中で、最上級とされる部分です。
合う食べ方は焼く料理です。やわらかい部位だからこそ、厚みを楽しめます。
たん中は、焼きにもゆでにも向く万能
PART 2 / たん中
たん元とたん先のあいだ、一本の中央にあたる部分がたん中です。赤身と脂のバランスが整っていて、うま味とさっぱりした味わいを併せ持つ、万能の部位です。
脂が強すぎず赤身に寄りすぎないので、焼く料理にもゆでる料理にも向きます。焼けば牛たん焼きの定番の食感になり、ゆでても身がぱさつかず、味が出すぎることもありません。どちらでもおいしく食べられるのが、この部位の強みです。
合う食べ方は焼く料理とゆでる料理の両方です。焼き方のコツは、解決!ご自宅で美味しく焼ける牛たんの焼き方でご案内しています。
たん先は、加工品で持ち味が出る
PART 3 / たん先
舌の先端がたん先です。ものを食べるとき、牛は舌の先で草を巻き取ります。いちばんよく動く部分なので脂が少なく、赤身が強い。赤身が多いことから「アカ」と呼ばれます。コリコリとした食感が持ち味です。
繊維が密で、弾力と味が強い個性派です。そのため焼くよりも、脂身を必要としない加工品に向きます。ジャーキーやつくねに使われるのは、この部位です。
合う食べ方は加工品です。ミンチにしてつくねにする、干してジャーキーにするなど、噛みごたえと濃い味を活かす使い方が向いています。
さがりは、煮込みの隠れ部位
PART 4 / さがり
あまり耳にしない名前かもしれません。さがりは舌の下側にある部位です。
赤身と白身が混ざり合っていて、うま味が強いのが特徴です。そして煮込むほどに、そのうま味がとろけ出します。シチューなどの煮込み料理に、もっとも適した部位です。知られていないだけで、実力のある隠れ部位といえます。
合う食べ方はシチューなどの煮込み料理です。時間をかけて煮込むほど、濃いうま味が煮汁に溶け出します。
焼く、ゆでる、加工する、煮込む。
一本の中に、4つの持ち味があります。
喜助では、部位をどう使い分けているか
喜助の工場では、職人が一本一本の牛たんを見きわめながら仕込んでいます。皮をむいたら、まずさがりを取り分ける。その後に、たん元・たん中とたん先を分けていきます。同じ一本でも根元と先では食感も脂ののりも異なるため、スライスした一枚ずつに合わせて包丁の入れ方を変え、塩のふり方を加減します。
詰合せの際は、たん元からたん中を中心に、脂の多い部分ばかり、赤身ばかりに偏らないよう、熟練の手で組み合わせています。一本をむだなく、それぞれの持ち味が活きる形にしてお届けするのが、牛たん専門店の仕事です。
単品の牛たんは、どの部位が届きますか
焼いて召し上がる牛たんには、脂ののりのよいたん元からたん中が向きます。しお味・たれ味・みそ味の単品も、この範囲を中心に、脂と赤身が偏らないよう職人が組み合わせています。部位を絞って味わいたい方は、たん元の「まろやか牛たん」、根元の「厚切り牛たん」をお選びください。